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複式簿記で見えてきたこと

Date2008-10-20 Trackback0 Comment0 CategoryWork Tags,

フリーで仕事をするようになってから覚えたもののひとつに,「複式簿記」があります。と言っても,帳簿を付けたり確定申告をするために,独学でちょっとかじったという程度なのですが。

お金の流れを収入と支出とその残高という項目で記録しているときにはあまり意識していなかったことが,複式簿記では見えてきます。

複式簿記の基本

複式簿記の基本はこうです。

左に借方(debit),右に貸方(credit)を置き,勘定科目と金額を書く。このとき,借方と貸方の金額は常に等しい。(貸借平均の原理)

借方 貸方
月日 科目 金額 科目 金額
10-15 普通預金 100,000 売上高 100,000

右側は,いかにしてそのお金を得たか「資金の出所」が書かれ,左側は,どのような形で手元にあるか「資金の所在・用途」が書かれます。

これを取引ごとに記録していくのが「仕訳」です。

勘定科目は大きく5つに分類され,さらに細分化されていきます。

試算表

資産
要するに金目のもの。現金,預金から始まって,在庫品や固定資産,証券や債権など。
負債
借入金などの債務のほかに,まだ仕事はしていないけど先にお金をもらったときなども,仕事をして売上を計上するまでは負債となります。
資本
商売の元手。会社でいえば資本金,個人事業主の場合は「元入金」。
費用
仕事をするうえで必要な出費。いわゆる「経費」です。
収益
売上のほか,固定資産や証券を売った利益とか,利息などが含まれます。

上の図は「試算表」というものです。左側は借方,右側は貸方になり,これらを総計すると左右が等しくなります。

会計ソフトで仕訳をしていけば,

  • 仕訳帳
  • 勘定元帳
  • 試算表
  • 貸借対照表
  • 損益計算書

などが自動的に集計されるので,とりあえず仕訳がきちっとできれば,実務はこなせるようになります。

具体的には

具体的な事例で,取引を仕訳してみましょう。

3,150円分の事務用品を現金で買った。
借方 貸方
月日 科目 金額 科目 金額
03-15 事務用品費 3,150 現金 3,150

資金の出所はお店(事務所)の現金。これで事務用品を手に入れました。

現金は資産のひとつで,試算表では借方に入ります。これが反対の貸方に書いてあるときは,資産が減ったことを意味します。事務用品費は費用になります。

見方を変えると「現金3,150円が,同じ価値を持つ事務用品に形をかえて手もとにある」ともとらえられます。しかし事務用品は使うと減ったり,痛んだりして3,150円の価値はなくなります。「短期間で価値(サービスを受ける権利なども含めて)がなくなるもは費用」と考えて差し支えないと思います。

3,150円分の事務用品をASKULで買った。
借方 貸方
月日 科目 金額 科目 金額
03-15 事務用品費 3,150 買掛金 3,150
04-10 買掛金 3,150 普通預金 3,150
04-10 手数料 168 普通預金 168

買掛金というのは,所定の期日までに支払わなければならないお金(債務)で,負債になります。ツケで買ったということです。04-10,預金口座からの振込でその債務を果たしました。

試算表では負債は貸方のほうにありますが,反対の借方に書いたとき(04-10の行)は負債が減ったことを意味します。

振込手数料も費用(経費)になります。

制作費100,000円を現金で支払ってもらった。
借方 貸方
月日 科目 金額 科目 金額
03-31 現金 100,000 売上高 100,000

売上は収益のひとつです。

制作費100,000円の請求書を送り,翌々月銀行振り込みしてもらった。
借方 貸方
月日 科目 金額 科目 金額
03-31 売掛金 100,000 売上高 100,000
05-31 普通預金 100,000 売掛金 100,000

売掛金は所定の期日までに支払ってもらえるお金(債権)で,資産になります。05-31,それを回収したことになります。

売掛金と買掛金の相殺

ぼくがAさんの制作をお手伝いして,100,000円の請求をしました。
翌月,Aさんにぼくの制作50,000円分のお手伝いをしてもらいました。
翌々月,Aさんに差額の50,000円を振り込んでもらいました。

借方 貸方
月日 科目 金額 科目 金額
03-31 売掛金 100,000 売上高 100,000
04-30 外注費 50,000 買掛金 50,000
05-31 普通預金 50,000 売掛金 50,000
05-31 買掛金 50,000 売掛金 50,000

最後の行は,売掛金のうち50,000円を買掛金に充当して,相殺したことを表しています。

複式簿記で見えてきたこと

  • 債権や債務も,資産・負債で,取引の対象になります。まだ入金されてないけれど100万円の売掛金(資産)があるとか,まだ支払っていないけれど20万円の買掛金(負債)がある,ということもわかるようになります。
  • 「取引」というのは,等価なものに形を替えていくことです。制作という仕事が100,000円の売掛金に替わり,売掛金は100,000円の現金に替わる。
  • 様々な取引でいろいろな人とかかわりながら形を替えていく。口座に100,000円の入金があったとする。これは一時,ぼくが口座預金という形で得た(借りた)に過ぎず,次は別の誰かが作った製品の対価として,その人の口座に渡す(貸す)ことになる。こうした営みが幾重にもつながった大きな循環が,世の中にはある。

財布や口座からいくら出た,いくら入ったということくらいしか見ていなかったぼくが,複式簿記をやってリアルに(数字として)見えるようになったことです。

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