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発生主義で制作のながれを見る

Date2008-11-17 Trackback0 Comment0 CategoryWork Tags,

何回かに分けて「複式簿記はいいよ」という話をしてきました。でも,複式簿記の帳票だけでは,十分に把握しきれないこともあります。

売上を計上するまでは帳票には現れてこない

ぼくのしている仕事の場合,受注してからその報酬が入るまでに,ある程度の期間があります。だいたい,2ヶ月から4ヶ月。長いものだと半年,一年ということもあります。ふつう,納品・検収が終わり,請求書を出したところで売上を計上するための伝票を書きます。(例外もありますが)

伝票に書くまでは,それ以前にいくら仕事をしていても,帳簿上には現れてこないのです。

自転車操業的にやっているぼくとしては,ちょっと不便を感じることがありました。

制作中のお金の動きを表してみる

そこで,次の金額を常時把握できるようにしてみました。

  • 見積額
  • 受注額(受注時の見積額)
  • 作業額(実際に作業した額)
  • 請求額
  • 入金額

ぼくの場合,作成したファイル,行った作業に対して課金するようにしています。index.html がいくら,common.css がいくら,MovableType インストールがいくら,というふうに。ファイルが出来上がったとき,作業が済んだとき,その内容と料金を明細書に書き足していきます。これを合計すると「作業額」が出せます。

そして,それぞれの金額の差を出します。

A = 見積額 - 受注額 = 未受注額
見積は出したが,まだ受注していないというもの。将来,売上になるかもしれない額です。
B = 受注額 - 作業額 = 未作業額
受注したもののうち,今から稼ぐ分です。収入が保証されているこれから先の仕事です。
C = 作業額 - 請求額 = 未請求額
まだ現金化できませんが,すでに稼いだ分です。
D = 請求額 - 入金額 = 売掛金
(ここからは複式簿記の帳票に現れる)
E = 入金額
現金化された収入

仕事をすると順に動いていく

仕事をすることによって,お金はAからEに向かって,順に動いていくことになります。

大雑把に言うと,Aをとってくるのが営業,AをBに移すのが企画,BをCに移すのが制作,CをDに移すのが経理の仕事になります。(DをEに移すのは信用かな...)

ぼくが使っている表の一部を載せておきます。(支障がないようにあちこち書き換えたり削ったりしてありますが)

案件名 入金予定日 納品予定日 レベル E入金額 D売掛額 C未請求額 B未作業額 A未受注額
合計 ¥285,000 ¥96,000 ¥189,000 ¥266,000 ¥148,000
案件1 08-10-31 08-09-17 e ¥165,000 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0
案件2 08-11-30 08-10-22 d   ¥60,000 ¥0 ¥0 ¥0
案件3 08-12-31 08-11-10 c     ¥225,000 ¥30,000 ¥0
案件4 09-01-31 08-11-25 b       ¥200,000 ¥0
案件5   08-11-30 a         ¥148,000
案件6 08-04-30 09-03-31 f ¥120,000 ¥0 ¥36,000 ¥36,000 ¥0
案件7 07-08-31 07-07-19 g   ¥36,000 ¥0 ¥0 ¥0
  • レベルは,a:未受注,b:待機,c:制作中,d:売掛,e:入金,f:先払,g:貸倒。
  • より現金に近いものが左上に来るようにソートしてあります。¥0 でないところを見ると,上のものほど左に来ていることがわかると思います。
  • 下には,作業が残っているけれどすでに入金されたものと,貸倒しそうなものをまとめてあります。赤字になっているところは,先払でお金はもらってあるけれど,まだ残っている作業分です。貸倒分は伝票で「貸倒損失」の処理をするまで残しておきます。
  • 実際には,この表のさらに右側に「見積額・受注済みの見積額・実際に作業した額・請求額・入金額 」とそれぞれ日付を入力する欄があり,それをもとにして,計算されるようになっています。

現在進行中の仕事の状況を示すA,B,Cあたりの金額が,会計の帳簿だけでは把握できない部分です。どこで取りこぼしがあったか,どこが遅れているか。それが分かると,営業の戦略決定や,受注済み案件の進行管理の参考資料にもなります。

また,このながれを見ると,将来(と言ってもせいぜい半年先までですが)の収入の予測が立てられます。「○月はいくらの収入がある」とか,「もっと仕事をとらないと○月はやばいぞ」とか。

実はこれ,発生主義をつきつめていったらこうなった,という表です。

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