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発生主義で制作のながれを見る

何回かに分けて「複式簿記はいいよ」という話をしてきました。でも,複式簿記の帳票だけでは,十分に把握しきれないこともあります。
売上を計上するまでは帳票には現れてこない
ぼくのしている仕事の場合,受注してからその報酬が入るまでに,ある程度の期間があります。だいたい,2ヶ月から4ヶ月。長いものだと半年,一年ということもあります。ふつう,納品・検収が終わり,請求書を出したところで売上を計上するための伝票を書きます。(例外もありますが)
伝票に書くまでは,それ以前にいくら仕事をしていても,帳簿上には現れてこないのです。
自転車操業的にやっているぼくとしては,ちょっと不便を感じることがありました。
制作中のお金の動きを表してみる
そこで,次の金額を常時把握できるようにしてみました。
- 見積額
- 受注額(受注時の見積額)
- 作業額(実際に作業した額)
- 請求額
- 入金額
ぼくの場合,作成したファイル,行った作業に対して課金するようにしています。index.html がいくら,common.css がいくら,MovableType インストールがいくら,というふうに。ファイルが出来上がったとき,作業が済んだとき,その内容と料金を明細書に書き足していきます。これを合計すると「作業額」が出せます。
そして,それぞれの金額の差を出します。
- A = 見積額 - 受注額 = 未受注額
- 見積は出したが,まだ受注していないというもの。将来,売上になるかもしれない額です。
- B = 受注額 - 作業額 = 未作業額
- 受注したもののうち,今から稼ぐ分です。収入が保証されているこれから先の仕事です。
- C = 作業額 - 請求額 = 未請求額
- まだ現金化できませんが,すでに稼いだ分です。
- D = 請求額 - 入金額 = 売掛金
- (ここからは複式簿記の帳票に現れる)
- E = 入金額
- 現金化された収入
仕事をすると順に動いていく
仕事をすることによって,お金はAからEに向かって,順に動いていくことになります。
大雑把に言うと,Aをとってくるのが営業,AをBに移すのが企画,BをCに移すのが制作,CをDに移すのが経理の仕事になります。(DをEに移すのは信用かな...)
ぼくが使っている表の一部を載せておきます。(支障がないようにあちこち書き換えたり削ったりしてありますが)
| 案件名 | 入金予定日 | 納品予定日 | レベル | E入金額 | D売掛額 | C未請求額 | B未作業額 | A未受注額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | ¥285,000 | ¥96,000 | ¥189,000 | ¥266,000 | ¥148,000 | |||
| 案件1 | 08-10-31 | 08-09-17 | e | ¥165,000 | ¥0 | ¥0 | ¥0 | ¥0 |
| 案件2 | 08-11-30 | 08-10-22 | d | ¥60,000 | ¥0 | ¥0 | ¥0 | |
| 案件3 | 08-12-31 | 08-11-10 | c | ¥225,000 | ¥30,000 | ¥0 | ||
| 案件4 | 09-01-31 | 08-11-25 | b | ¥200,000 | ¥0 | |||
| 案件5 | 08-11-30 | a | ¥148,000 | |||||
| 案件6 | 08-04-30 | 09-03-31 | f | ¥120,000 | ¥0 | ¥36,000 | ¥36,000 | ¥0 |
| 案件7 | 07-08-31 | 07-07-19 | g | ¥36,000 | ¥0 | ¥0 | ¥0 | |
- レベルは,a:未受注,b:待機,c:制作中,d:売掛,e:入金,f:先払,g:貸倒。
- より現金に近いものが左上に来るようにソートしてあります。¥0 でないところを見ると,上のものほど左に来ていることがわかると思います。
- 下には,作業が残っているけれどすでに入金されたものと,貸倒しそうなものをまとめてあります。赤字になっているところは,先払でお金はもらってあるけれど,まだ残っている作業分です。貸倒分は伝票で「貸倒損失」の処理をするまで残しておきます。
- 実際には,この表のさらに右側に「見積額・受注済みの見積額・実際に作業した額・請求額・入金額 」とそれぞれ日付を入力する欄があり,それをもとにして,計算されるようになっています。
現在進行中の仕事の状況を示すA,B,Cあたりの金額が,会計の帳簿だけでは把握できない部分です。どこで取りこぼしがあったか,どこが遅れているか。それが分かると,営業の戦略決定や,受注済み案件の進行管理の参考資料にもなります。
また,このながれを見ると,将来(と言ってもせいぜい半年先までですが)の収入の予測が立てられます。「○月はいくらの収入がある」とか,「もっと仕事をとらないと○月はやばいぞ」とか。
実はこれ,発生主義をつきつめていったらこうなった,という表です。
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複式簿記をするなら発生主義で
2008-11-17
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